日本は何位?世界のいじめが多い国ランキング

日本では、いじめによる不登校や、若者の自殺などが社会問題になっていますが、日本のいじめの割合は、海外の国々と比べて多いのでしょうか。

ユニセフの調査結果を元に、世界のいじめの多い国・少ない国のランキングと割合、日本の順位をお伝えします。また、世界のいじめ事情と対策についても紹介しています。




世界のいじめが少ない国ランキング

2013年に、ユニセフは『先進国における子どもの幸福度』調査の中で、いじめの割合についてもレポートしています。

この調査で明らかになった、世界30か国(日本を含む)の「過去数か月に学校で1回以上いじめられた」と答えた11歳、13歳、15歳の子どもの割合を、ランキング形式にしました。

この場合のいじめは、クラスメートによる仲間はずれ、無視や陰口が含まれます。

いじめの少ない国トップ10と日本の順位は以下の通りです。

順位国名割合
1位イタリア10.9
2位スウェーデン11.8
3位スペイン14.6
4位チェコ15.6
5位アイスランド19.0
6位デンマーク19.2
7位スロベニア20.3
8位オランダ24.3
9位ノルウェー25.9
9位ポーランド25.9
12位日本27.4

日本は、30か国中12番目にいじめの割合が少ない国であるというデータが出ています。30か国中少ない方には入っているものの、4人に1人以上がいじめの被害にあっているというのは、やはり多いと思います。

一番いじめの割合が少ない国は、イタリアでわずかの10パーセントです。

世界のいじめが多い国ランキング

いじめの多い国トップ10と日本の順位は以下の通りです。

順位国名割合
1位リトアニア53.6
2位ラトビア46.1
3位ルーマニア41.0
4位エストニア40.3
4位オーストリア40.3
6位ポルトガル38.3
7位ベルギー37.7
8位スイス36.1
9位カナダ34.9
10位フランス34.0
19位日本27.4

日本は、30か国中19番目にいじめの割合が多い国ということになります。1位のリトアニアでは、何と50パーセントを超えるという驚異の割合です。

世界のいじめ事情と対策

世界保健機関(WHO)の「学齢児童の健康動態調査(HBSC)」によると、世界に共通するいじめの特徴として男女比では、男子の割合の方が高いことが挙げられています。

また、近年では日本と同様、多くの先進国においてSNSを中心としたインターネット上でのいじめ(嫌がらせや脅し)も社会的な問題になっています。

以下、ランキングで多い国の11位だったフィンランドと、ランキングの対象国には入っていなかった韓国・アメリカのいじめ事情をご紹介します。

フィンランドのいじめ対策

北欧3国の中では、一番いじめの割合が高いという結果になったフィンランドですが、フィンランドの『KiVA』と呼ばれるいじめ対策が世界的に話題になっています。

KiVaは、イジメは傍観者の反応で解決に導くことができるという考えの元で生み出されたいじめ防止プログラムで、傍観者層への教育をメインとしたものです。

いじめというのは、アクションを起こさない傍観者の層が多く、加害者側はその層を取り込むことでクラス内での地位の確保をしているという点に注目したプログラムと言えるでしょう。

その傍観者層がいじめに対して否定的な反応を示すことが出来れば、加害者側はクラス内での地位の確保ができなくなり、いじめが減るというわけです。

KiVaは、フィンランド国内の9割の小学校で採用されているほか、オランダやイギリスでも導入している学校が増えていて、成果も報告されています。

韓国のいじめ対策

韓国で、いじめは大きな問題となっています。韓国語では、いじめは「ワンタ」といいます。

韓国の教育科学技術省が2013年に通学年齢の生徒たちを対象に行った調査では、7万7000人以上もの生徒がいじめの経験があると回答していて、さらにこのうちの1割が自殺を考えたことがあるということです。

朴槿恵(パク・クネ)元大統領は、就任していた2014年に、韓国における「4大社会悪」の一つにいじめを挙げています。また、同年にいじめ保険が発売されたことは日本でもニュースになりました。

また、韓国では学校でのクラスメートによるいじめだけではなく、職場いじめも深刻です。

2017年に行われた韓国労働研究院の「職場内のいじめ実態調査」によると、過去5年間にいじめを受けたことがある人の割合は66.3%であることが明らかになっています。

アメリカのいじめ対策

アメリカでは、1990年代に始まった教育方針の一つとしてゼロ・トレランス方式というものがあります。これは、日本語では不寛容と訳されることが多いです。

いじめや無断欠席など、詳細に定められた校内での行動に関する規則に違反した場合、生徒は罰則を課されるいう方針です。

罰則によって改善されない場合には、オルタナティブスクールと呼ばれる教育施設に送られたり、退学させられたりするケースもあります。

この教育方式は、事前に問題を防ぐというメリットはあるものの、若者を社会からドロップアウトさせてしまうというデメリットも指摘されていて、アメリカ国内で議論を呼んでいます。

まとめ

いじめの割合のランキングを見てみると、10パーセントから50パーセントまで、国によって割合の違いが大きいことが分かります。

この違いは、国民性や、教育の質や社会情勢など様々な要因から生まれるものだと思いますが、少しでも世界からいじめが減ることを願わずにはいられません。

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