貧乏はどこから?基準の年収と割合を計算してみた

世界的に見て、日本は豊かな国だと言われています。先進国の一つであり、国民総生産(GDP)でも上位に毎年ランクインしていますね。2016年度のランキングでは3位でした。

このように経済的に国全体として豊かな国であっても、その中に悠々自適な生活を送れる金持ち層もいれば、生活が厳しい貧乏層もいます。

それは皆、なんとなく周りを見渡しても実感していることなのではないでしょうか?

では、日本ではどこからが貧乏ということになるのでしょうか。

「あの人は貧乏くさい服装をしているから」

「あの人はボロボロのアパートに住んでいるから」

こんな基準で判断している人も多いと思いますが、ちゃんとした基準となる定義が存在します。

今回の記事では、日本の貧乏層の基準となる年収はどこからなのか、そして、貧乏層の割合は何割なのかをまとめていこうと思います。

貧乏だと思っていたけど、貧乏層には当てはまらない人、そして逆に、貧乏ではないと思っていたけど、貧乏層に当てはまる人もきっといるでしょう。

貧乏の年収の定義

世界で使われている『相対的貧困』という、貧困率を出すための定義があります。

ちなみに、もう一つ『絶対的貧困』という定義もありますが、こちらはギリギリ生きていくための本当に最低限の暮らしが送れる基準となるので、日本などの先進国の貧困率を調べるときには使われません。

では、相対的貧困の定義を見ていきましょう。

この定義によると、貧困層は等価可処分所得(世帯の可処分所得÷世帯人数の平方根)が中央値の半分未満となっています。

可処分所得とは年収から非消費支出(税金や社会保険料)を引いたもので、だいたい手取りと同じくらいと考えていいでしょう。

平成24年度の厚生労働省のデータによると、等価可処分所得の中央値の実質値が221万円となっています。

つまり、その半分である111万円が貧乏かどうかの基準値となります。

貧乏層の割合

同データによると、相対的貧困率の割合は全体で16.1パーセント、子供の貧困率は16.3パーセントとなっています。意外といるなと感じる数字ではないでしょうか。

子供がいる現役世代(世帯主が18歳以上65歳未満)の家庭で、片親の場合は54.6パーセントという深刻な割合となっています。

計算例

手取り年収が111万未満の人がそんなに沢山いるのかというと、そうではありません。この計算には、世帯人数も大きく関わってきます。

以下、計算例として2つのパターンをご紹介しますので、ご参考にしてください。

ケース1

旦那の手取り年収が300万・妻が専業主婦、子供1人の世帯の場合。

世帯の可処分所得(300万)÷ 世帯人数の平方根(√3≒1.73)=約173万円

この場合、111万を超えているので貧乏層に当てはまりません。

ケース2

シングルマザー(パート)の手取り年収180万、子供2人の世帯の場合。

世帯の可処分所得(180万)÷ 世帯人数の平方根(√3≒1.73)=約104万円

この場合、111万未満となるので貧乏層に当てはまります。

※関連記事:生涯子供を産まない女性の割合をデータをもとに算出してみた

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